2015年(平成27年)7月、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」がユネスコ世界文化遺産に登録されました。 8県11市、23の構成資産からなるこのシリアル・ノミネーションのうち、幕末の萩にある5つの資産は、 鎖国下の一地方藩が独力で西洋技術に挑んだ「時代のいちばん最初の一歩」を伝えています。
この23資産は、1850年代の萩・鹿児島での試行錯誤から、1901年操業開始の官営八幡製鐵所に至るまでの、 およそ半世紀にわたる非西洋世界初の産業化の過程を一つの物語として示すために登録されました。 萩の5資産はこの中でも最初期にあたり、いわば「産業革命遺産群の序章」を担っています。
歴史・文化
武家屋敷、神社、博物館。城下町のそこかしこに、幕末・維新の記憶が息づいています。
011604年、毛利輝元が築いた萩城の跡地。天守は現存しないが、石垣と内堀が今も往時の姿を伝える桜の名所。
02上級武家地・堀内地区に残る、直角に折れ曲がった防御的な街路。土塀の続く景観が見事。
04吉田松陰を祀る神社。境内には保存された松下村塾の建物もあり、学問の神として親しまれる。
05萩の歴史・自然・文化を通して学べる総合博物館。旧萩藩の武具や史料を多く所蔵する。
06堀内・平安古地区に残る、身分に応じた造りの違いが見て取れる武家屋敷の数々。
08維新三傑の一人、木戸孝允(桂小五郎)が生まれ育った家。
09萩藩の御用商人を務めた豪商の邸宅。現存する商家として最古級、約400年の歴史を持ち、主屋など5棟が国指定重要文化財。
10毛利家の菩提寺の一つ。参道に整然と並ぶ約500基の石灯籠は圧巻で、毛利家墓所とともに国指定史跡。夜には灯路まつりで灯がともることも。
11旧城下町を舞台に開催される、夏の風情ある祭り。灯路まつりなど、夜の城下町を提灯明かりで彩る催しも人気。
自然・地形
萩の歴史を育んだ自然そのものも、大きな見どころです。
12大地の成り立ちと人の暮らしのつながりをテーマにした、日本ジオパークネットワーク認定エリア。
13透明度の高い海水と、入り組んだリアス状の海岸線が続く。
14標高112.2m、「世界最小級」ともいわれる火山。山頂近くまで登れ、直径・深さ約30mの噴火口を間近に見られる。
15藩政期、城の鬼門にあたるため伐採が禁じられていた笠山には、今も見事な椿林が残る。冬から春に椿まつりが開かれる。
16山あいに湧く静かな温泉。城下町散策の疲れを癒すのに最適。
17萩城跡のすぐそばに広がる、白砂青松の美しい海水浴場。
食と体験
萩の食の物語は「自然と食」のページに詳しくまとめています。ここでは、実際に訪れる拠点と体験を中心に。
18日本海で水揚げされた魚介類が並ぶ、地元でも人気の直売・グルメ拠点。剣先イカなど旬の魚を求めて多くの人が訪れる。
20萩と防府・三田尻港を結ぶ全長約53kmの歴史街道。1604年の萩城築城後、参勤交代の道「御成道」として整備された。道の駅「萩往還」も人気。
21市内の主な観光地を効率よく巡れる周遊バス。城下町エリアの散策に便利。
22着物をレンタルして、江戸期の町割りが残る城下町を散策できる人気の体験。
まわり方のヒント
堀内・松陰神社周辺の主要スポットだけなら半日、笠山や道の駅まで足を延ばすなら1日は見ておきたいところです。
鍵曲や土塀の細い路地が多く、車での通り抜けには不向きな区画もあります。徒歩か自転車、または循環バスの利用がおすすめです。
営業時間・料金・イベント開催状況は変わることがあります。訪問前に萩市観光協会公式サイト等の最新情報をご確認ください。
モデルコース(例)
本ページで紹介した見どころを、徒歩を基本に半日程度でまわる一例です。時間配分はあくまで目安としてお使いください。
石垣と内堀を眺めながら、城下町散策のはじまりに。
土塀の続く鍵曲を歩き、武家屋敷の景観を楽しむ。
豪商の邸宅や町家の町並みを見学。
剣先イカなど、日本海の海の幸を味わう。
保存された塾舎を訪ね、萩が生んだ人物たちに思いを馳せる。
約500基の石灯籠が並ぶ参道と、毛利家墓所を歩く。
笠山や阿武川温泉など、市街地から少し離れた見どころまで足を延ばす場合は、循環バスや車の利用も検討し、1日がかりの行程として計画することをおすすめします。
最後に
人物、密航、産業、町並み、教育、自然と食、そして見どころ。萩の物語の最後に、この土地の精神を最も端的に語る、松陰の名言を紹介します。